1.はじめに
Xアカウントの凍結解除には、行政書士で対応可能なケースと、そうでないケースがあります。
最近、行政書士では法律上対応できないご相談が増えてきたので、このコラムにまとめることにしました。
ご相談前に判断の目安を知っていただくことを目的としています。
2.行政書士で十分に対応可能な凍結解除申請
「心当たりがまったくない」凍結の場合、AIによる自動判定の誤りであるケースが少なくありません。
このような場合、凍結解除申請において重要となるのは、ヒアリングに基づき事実関係を整理し、誤判定であることを合理的に説明することです。
当事務所では、代表行政書士が元テック系企業でのエンジニア経験を踏まえ、AIによる判定ロジックやネットワーク環境の特性を理解したうえで、必要に応じて技術的な用語も用いながら、事実関係を過不足なく説明する文書を作成しています。
3.弁護士に相談すべきケースの例
(a) 事例の紹介
出会い系サービスやマッチングサイトの紹介を行ったケースで、特に性的関係の成立を明示・想起させる表現があった場合
このような場合、日本で合法であると認められているサービスであっても、また、単なる広告や紹介にとどまっていたとしても、X側では「性的サービスの宣伝・促進」と解釈されアカウントが凍結されてしまう可能性があります。
特に、凍結理由として「違法な行動または規制対象の行動」と明示されている場合には、行政書士が対応できる余地は限られます。その理由を説明していきます。
(b) なぜこのようなケースが厳しく扱われるのか、その背景
まず、このような運用の背景には、アメリカで2018年に成立したFOSTA–SESTA法の影響があります。
・FOSTA: Allow States and Victims to Fight Online Sex Trafficking Act(州と被害者がオンライン性売買と戦うことを許可する法)
・SESTA: Stop Enabling Sex Traffickers Act(性売買業者を助長することを止める法)
この法律ができるまでは、通信品位法230条という法律によって、プラットフォーム企業はユーザーが投稿した違法コンテンツの責任を問われませんでした。しかし、FOSTA-SESTA法により、オンラインプラットフォームが性売買の広告と見なされる投稿について責任を問われるようになりました。
そのため、この法律以降、アメリカのプラットフォーム事業者は、
・性的サービスや人身取引
・それらを助長・促進していると評価され得る投稿
について「放置していた」と後から責任を問われるリスクを強く意識するようになりました。
その結果、Xを含む多くのSNSでは「そう見える可能性があるものは、すべて排除する」
という非常に保守的な運用(ゼロリスク運用)が取られるようになりました。
(c) ゼロリスクで対応されたら、もう打つ手がないのか?
いえ、まだ打つ手はあります。
FOSTA–SESTA法を前提として「当該アカウントや投稿と性的人身取引との無関係性の主張」「投稿内容の限定性」を主張したりすることで、プラットフォーム側を説得できる可能性がないわけではないと考えます。
ただし、これらの主張には、FOSTA–SESTA法の趣旨や適用範囲を前提として、個別具体の事案について違法性や責任の有無を判断する法的評価が不可欠となります。
このような評価は、特定の権利義務に直接影響を及ぼす法律事務に該当するため、行政書士が業として文書作成を行うことはできません。これは弁護士法の規定により制限されているためです。
(※念のため、行政書士であっても、このような文書を作成できる知識や能力を持つ者はいます。しかし、実際に作成した場合には弁護士法違反となるため、業務として行うことはできません。)
そのため、このような主張を行いたい場合には、ご自身で関係法令を調べたうえで文章を作成するか、もしくは弁護士に依頼する必要があります。
ただし、米系企業はこのカテゴリについて、現状としてかなり厳しい対応をしていますので、弁護士に依頼したとしても、大変難易度が高い、つまり解除は難しいケースが多いと考えています。
(d) おまけ:FOSTA–SESTA法が「現代の禁酒法」とも言われる理由
FOSTA–SESTA法は、本来は人身取引や強制的な性的搾取を防止する目的で制定されました。
しかし、実際の運用においては、
1. 連絡場所の地下化・海外移転により証拠収集と捜査が困難になった
2. 「おとり捜査」の場所が消失してしまった
などの声が米国政府内部にもあり、実際は逆効果だったのでは?という批判も多いです。
「かつての禁酒法と同様、表に見える行為は減ったが、皮肉にも犯罪そのものは見えにくくなった」と指摘されるゆえんです。
4.まとめ:ご自身の状況に応じた専門家選びのために
何も違反をしていないのに凍結された、のような場合には、AIの誤判定が多いです。その場合は「技術理解をベースに事実を説明する文章」が最適解です。技術の理解が深い当事務所におまかせください。
当事務所の凍結解除サービスについて詳しくはコチラ
一方で「違法な行動または規制対象の行動」と明示されている場合には、弁護士への相談が現実的です。
また、弁護士は依頼人の代理人になることができますので、ご自分の名前や連絡先を明かさずに企業に内容証明を送ることができる一方で、行政書士は代理人となることができない、などの違いもあります。
ただ、弁護士に依頼する場合の費用面は、行政書士よりも多くかかることがほとんどです。
早期に適切な切り分けを行うことが、時間と労力を守ります。
当事務所の代表行政書士は、かつてデータベースエンジニアとして、Oracleを中心としたデータベースの運用管理やシステム開発に携わっていました。
SNS凍結の多くがAIによる自動判定で行われている現在だからこそ、この経歴が活きます。システムがどのようなロジックで「フラグ」を立てるのか、その裏側の構造を元エンジニアの視点で理解しているからこそ、単なる感情論ではない、プラットフォーム側の凍結解除担当者に届く「技術的整合性を持った文書の作成」が可能です。
「何もしていないのに凍結されて困っている」なら、ぜひ当事務所にご相談ください。
特定の手法や主張の有効性を保証するものではありません ※
5. お問い合わせ
凍結解除のご相談・お申込みは、下記のフォームから受け付けています。内容を確認のうえ、担当者より折り返しご連絡します。
当事務所の凍結解除サービスの料金体系など